2017年

9月

26日

ガソリン車は本当になくなるのか?

 ガソリンや軽油を燃料とするエンジン車を廃止する動きが、世界中で突然活発化してきました。これまで自動車に関わる環境保全の手段では、温室効果ガスの排出規制や税制や補助金の供出による電気自動車(EV)の普及促進が中心でした。今回の動きは一線を画する踏み込んだ施策であり、大きな潮流へと発展する可能性が出てきています。

 電気自動車は、エンジン車とは全く異なる技術体系と業界構造でのクルマづくりが求められます。機械部品に代わって電気・電子部品の存在感が大きくなり、電気・電子業界に新たなビジネスチャンスが生まれることは確実です。日経テクノロジーオンラインのコラム、テクノ大喜利では、エンジン車廃止の潮流から電気・電子業界に生まれる商機について議論しました。

図 二酸化炭素排出量の比較(Well to Wheel)
出典:財団法人 日本自動車研究所『総合効率とGHG排出の分析報告書』(平成23年3月)、および安井至「作り方で変わる水素の環境性、CO2の大幅削減はまだ遠い」(Wedge January 2015)を基に微細加工研究所の湯之上隆氏が作成

2017年

9月

14日

ダントツ半導体メーカーが闊歩する時代

 ここ数年間、半導体業界ではM&Aが立て続けに起きてきました。その結果、特定分野でダントツに強い半導体メーカーが生まれるようになりました。今や、1位企業のシェアが2位をダブルスコア、トリプルスコアで引き離し、市場で君臨するようになっているのです。

 莫大なデータを扱うIoTやAIの活用が広がり、半導体需要は今後も堅調に伸び続けていくことはほぼ確実な情勢です。そうした中、半導体チップの主要な品種それぞれに、市場と技術開発に大きな存在感を示すダントツ企業がいることは、半導体ユーザーのビジネスに、どのような影響を及ぼすことになるのでしょうか。日経テクノロジーオンラインのコラム、テクノ大喜利では、特定の分野に圧倒的な力を持った半導体メーカーが存在することの功罪を論じていただきました。

2017年

8月

30日

半導体にÅ時代が来るのか?

 ベルギーの研究開発機関imecは、2017年5月16日と17日に開催した「imec Technology Forum」で、新たな半導体ロードマップを公開しました。そこには、2025年以降の実現を想定して「14Å(1.4nm)」という新しいプロセスノードが付け加えられました。この新しいプロセスノードは、サブnm時代への突入を意味しているわけではありません。しかし、あえてÅという原子の大きさや結晶の格子定数を示すことに使われる、これまでとは別の単位を持ち出して新たなプロセスノードを提示した点に、さらなる微細加工技術の開発に挑む決意と、挑戦すべき技術課題の共有を意図したimecのメッセージを強く感じます。

 日経テクノロジーオンラインのコラム、テクノ大喜利では、「半導体、Å時代はくるのか?」と題して、半導体のÅ時代の意義と、そこでの課題を洗い出すことを目的として議論しました。

2017年

8月

22日

5Gは何に使うのだろうか?

 第5世代移動体通信システム「5G」の開発が、いよいよ「研究開発の段階」からサービスインを見据えた「商品化の段階」へと移りつつあります。5Gは、仮想現実(VR)、IoT、M2M、コネクテッドカーのような新しいアプリケーションでの活用を想定しているといいます。

 しかし、ビジネスとしての成功を疑問視する声は意外と多いのも事実です。日経テクノロジーオンラインのコラム、テクノ大喜利では、「商用化迫る5G、何に使うの?」と題して、5Gがビジネス的に成功するための条件を、5Gならではのアプリケーションとは何かを考えることで、あぶり出しました。

2017年

7月

27日

ルビコン川を渡ったソニー

 イメージセンサーのトップ企業であるソニーセミコンダクタソリューションズと独Bosch社が、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転向けの車載カメラの共同開発で技術提携することで合意しました。ソニーグループにとっては、車載向けビジネスへの参入は、かなり思い切った決断であると言えます。ソニーの社内では、いつのころからか「人の命に関わる製品は扱わない」という不文律が語られてきたからです。

 時代の要請を鑑みて動く現在のソニーは、不退転の覚悟を持って車載向け事業に参入することと思われます。日経テクノロジーオンラインのコラム、テクノ大喜利では「ルビコン川を渡ったソニーの未来」をテーマに、車載向け事業に参入した先にある同社の未来について議論しました。

2017年

7月

18日

SamsungがIntelを抜いて半導体トップに

 韓国Samsung Electronics社が2017年第2四半期に売り上げと営業利益で米Intel社を上回ったそうです。好調な業績は、NANDフラッシュメモリーやDRAMなどメモリー市場の活況が好調な業績の要因です。米国の調査会社であるIC Insights社などは、年間の売り上げでもIntel社を抜く可能性があると見ているようです。1992年以来、Intel社は半導体の売り上げ首位の座を25年間死守してきました。対するSamsung社は15年間連続の2位。実際にトップ交代が実現すれば、まさに歴史的な出来事だと言えます。

 

 日経テクノロジーオンラインのテクノ大喜利では「なぜSamsungは、いつも強いのか?」をテーマに、同社のビジネスの強さから学べること、さらには同社のウィークポイントについて議論しました。

2017年

6月

12日

IoTの成否を決める「電源問題」の諸事情

 日経テクノロジーオンラインの特設コラムで、「IoTの成否を決める「電源問題」の諸事情」と題した3回シリーズの記事の掲載を始めました。

 

 IoTでは、あらゆるものをインターネットにつなくわけです。そこに組み込む電子回路を動かす電力をどのように供給するかは、大問題です。頻繁に交換する必要があるバッテリーでは使い勝手は悪くなりますし、電源線を引き回すのでは利便性を著しく損なってしまいます。この記事では、こうした課題にどのように立ち向かっていくのか、さらにはその解決策として期待されているエネルギーハーベスティング技術の開発と利用は、どの程度まで進んでいるのか。赤裸々にレポートしています。ぜひ、ご一読下さい。

2017年

6月

09日

あなたの知らないロボットの世界

 日興アセットマネージメント様のお招きで、「あなたの知らないロボットの世界」というタイトルで講演をさせていただきました。ロボット産業を対象にしたファンドを営業している方々を対象にしたセミナーでした。

 

 ハイテク産業は、成長の妙味はありますが、一般的には分かりにくい分野です。確かに、ロボットは、ファンド向きのテーマだと思います。講演では、ロボット産業は成長確実な産業であることを前提にして、動きを正しくつかんで評価することが難しいこと、その一方で思っても見なかった切り口での成長企業が現れる可能性があることなどをお話ししました。こうしたテクノロジーを語らなければならないが、最新の動きが説明しにくい分野でのこうしたセミナーはとても有効だと思います。

2017年

6月

07日

DC48V駆動で激変する自動車電装設計

 日経テクノロジーオンラインの特設コラムで、「DC48V駆動で激変する自動車電装設計」と題した3回シリーズの記事の掲載を始めました。

 

 現在、欧州の自動車業界を中心に、クルマの中の電装品を駆動する電圧を従来の12Vから48Vへと引き上げる動きが加速しています。48V化することで、マイルドハイブリッドと呼ぶ簡易的なハイブリッド車が簡単に作れるようになると共に、電動ターボや電動サスペンションといった走りをよくする機能を搭載することもできるようになります。この分野はかつて、トヨタ自動車が42V車を投入して先行していたのですが、今は休止状態です。48V対応の部品などが出回ると、ロボットや産業機器などにもその恩恵が波及するといいます。これからの電機業界の行方を左右する技術です。ご一読ください。

2017年

6月

03日

いよいよフレキシブルな時代到来

 半導体製造蔵置の業界団体であるSEMIが主催するフレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス(FHE)に関する国際カンファレンス「2017FLEX Japan」のレポート記事を執筆させていただきました(レポート1レポート2)。

 

 日本ではまだまだ研究段階だと思いがちなFHEですが、海外の研究機関が医療・ヘルスケア用や軍用として、実用化間近の技術として開発に取り組んでいることを知って、とても驚きました。はっきり言って、日本より海外の方が進んでいます。製造装置や材料、さらにはフレキシブルなデバイスを活用したサービスまで、エコシステムが着実に形成されつつあることを感じました。是否ご一読ください。

2017年

5月

23日

AIで崩壊?ニッポンの製造業

 日経テクノロジーオンラインのコラム、テクノ大喜利で「AIで崩壊?ニッポンの製造業」と題して議論した記事を掲載いたしました。

 

 様々な分野での活用が検討されているAIですが、ICTベンダーが実施する数々の実証実験で、その得意分野が明確になってきました。その結果、暗黙知に基づく作業や工程、部品間での複雑な擦り合わせこそが、AIの得意技であることが分かってきました。こうした、擦り合わせは、日本のものづくりの競争力の源泉と言われてきたことです。AI活用の拡大は、日本の製造業のあり方を根本的に変えてしまう可能性があります。かなりの問題作だと思います。ぜひ、ご一読ください。

2017年

5月

22日

AI時代の組込みのお仕事

 ユークエストさんのホームページで連載させていただいているコラム「組込みの輪郭」で、「徹底予習:AI時代の組込みシステム開発のお仕事」というテーマで記事を執筆いたしました。

 

 ルネサス エレクトロニクスが4月に開催したプライベートイベントでも、組込みシステム向けのAI技術が発表されていました。IoTシステムのエッジ側に置く機器に組込むことを想定した、AIチップの開発も積極的に進められています。既に先行しているAIシステム開発では、プログラム開発からデータの収集・学習へと仕事の力点が移っています。今回の記事では、組込みシステム開発のエンジニアは、AI時代には何を強みにして仕事をしていくことになるのかを解説しました。ご一読いただけると幸いです。

2017年

4月

17日

どうなる、東芝メモリ(仮)

 日経テクノロジーオンラインのコラム、テクノ大喜利で「どうなる、東芝メモリ(仮)」と題して議論した記事を掲載しました。

 

 経営難に陥った東芝の窮地を救うべく、4月1日に分社化して間もない東芝メモリの株式の過半が、外部に売却されることが決まっています。世論は、同社の事業価値の高さや重要性は認めながらも、大会社の東芝から追い出されてかわいそうといった同情論が多いように見えます。しかし、私は、これは飛躍の契機になるのではと思っています。今回のテーマでも、おなじみの大喜利メンバーが、それぞれの視座から、率直な意見を披露しています。中には、思ってもみなかった気づきも多く含まれています。ぜひ、ご一読ください。

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2017年

4月

07日

弊社が企画・制作した記事広告、日経BP Marketing Awards受賞!!

 弊社が企画・制作した、アルプス電気様の「圧接コンタクト 「micro clip」」の記事広告が、「第3回(2017年)日経BP Marketing Awards」のストラテジック部門 優秀賞を受賞いたしました。

 

 この記事広告は、アルプス電気様が、同社の機械加工技術の粋を結集して開発した、電子機器の基板間コンタクト部品に関するものです。実はこの部品、開発したアルプス電気様自身も、技術には自信があるものの、どの位の市場価値があるのか分かりかねていた製品でした。私たちは、数多くの電子機器の内部をよく知る分解のプロと、電子回路設計のプロを招聘。開発者とガチンコの座談会を開いて、応用の広がりや活用のメリットを探り出しました。そして、その様子を3回シリーズの記事広告にまとめ、技術誌に掲載いたしました。

 

 アルプル電機様によると、記事の反響はすさまじく、思ってもみなかったようなところからも問い合わせや商談が舞い込んだと言います。私たちも、このような素晴らしい企画に参加できる機会をいただき、とても光栄であり、感謝しております。今後も、こうした優れた技術の価値を伝える、ひと味違うコンテンツを企画・制作していきます。ご期待ください。

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2017年

3月

20日

トランプ大統領で電子産業はどう変わる

 日経テクノロジーオンラインのコラム、テクノ大喜利で「トランプ時代の歩き方」と題して議論した記事を掲載しました。

 

 就任以来、何かと話題の米国のトランプ大統領ですが、打ち出す政策がハイテク産業に厳しく、旧来の産業にやさしく見えます。では、アナリストや技術者、大学教授など視座の異なる人たちは、電子産業への影響をどのように見ているのか、ブレインストーミングしたのが今回の記事です。テレビのニュースなどでは、同一論調の批判ばかりが目につきますが、今回は客観的かつ多角的な視点を数多く抽出できたかと思います。ぜひ、ご一読ください。

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2017年

3月

17日

触覚の時代がやってきた

  TELESCOPE Magazineで、「デジタル化した触覚がUIとメディアを変える」と題した連載を3回シリーズで開始しました。最近、スマートフォンのユーザーインタフェースや、VRゲーム機などに利用されて体験する機会が増えた触覚フィードバックの動向をまとめた記事です。

 

 人間は、五感で周辺状況を察知しているといながら、得ている情報の大部分を視覚と聴覚から得ています。では、他の感覚が不要なのかと言えばそうではありません。特に触覚は、実体感を感じるために欠かせない感覚です。触覚を電子的に自在に操ることができれば、実体感が伴うUIやメディアを生み出すことができます。とても未来的な話題が多い分野です。ぜひ、ご一読ください。

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2017年

3月

02日

遺伝子治療がすごいことになっている

 Telescope Magazineのインタビューで、遺伝子治療の権威である自治医科大学の村松慎一特命教授にお話しをうかがい、「生きるための体の働きを取り戻す遺伝子治療、難病の根治には手が届きかけている」と題した記事を掲載いたしました。

 

 日本では、先端医療というと、iPS細胞を中心とした再生医療に目が行きがちですが、実は遺伝子治療が驚くほどの進歩を遂げているようです。すでに、パーキンソン病の治療では多くの実績を上げ、筋萎縮性側索硬化症(ASL)やアルツハイマー病など、体内で生成される酵素が治療の鍵となる疾病への応用が期待されています。

 

 遺伝子治療のすごいところは、一度治療すると、その効果が一生続く点です。アルツハイマー病では、予防策としても効果的ではと考えられています。私も、そろそろ事前に対策したいと真剣に思いました。治験や認可など実用化に向けたハードルは高いですが、とても期待しています。ご一読いただけると幸いです。

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2017年

3月

01日

世界の半導体産業のトップ企業が東北に結集

 日経テクノロジーオンラインに、「世界の半導体産業のトップ企業は今、なぜ東北に結集しているのか」と題した記事を掲載させていただきました。東北大学が母体の産学連携拠点、国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES)の遠藤哲郎氏をインタビューした記事です。

 

 CEISの目的は、日本のこれまでの多くの半導体コンソーシアムとは異なり、日本の半導体産業の再興を目的の第一に掲げるのではなく、世界の半導体産業が直面する課題の解決にあります。このため、世界中から半導体産業のトップ企業が続々と集結しているのです。とても志の高いお話しが聞けました。ご一読いただけると幸いです。

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2017年

2月

27日

半導体の応用2本柱、イノベーションへの指針

 SEMI Japanのメールマガジン「SEMI通信」2月号に、弊社が執筆した昨年末に開催されたSEMICON Japan 2016のキーノートスピーチのレビュー記事「コンピューターとメディア、今こそ再発明の時」を掲載していただきました。

 

 コンピューターとメディアは、半導体の応用の中で、もっとも重要なもの2つではないでしょうか。それらが今、これまで半世紀にわたって改善し続けてきた技術を、コンセプトのレベルから変えようとしています。今回の記事では、対照的な二人の講演者が打ち出す、新時代を切り開く視点をまとめました。いずれも、気付きに満ちた内容です。ご一読いただけると幸いです。

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2017年

2月

23日

IoTに挑む大企業とベンチャー

 半導体関連企業の業界団体であるSEMI Japanが発行する「WORLD OF IOT通信」の2017年 第1号に、弊社が執筆した、SEMICON Japan 2016でのIoT関連技術とベンチャー企業の技術のレポート記事「WORLD OF IOTは新技術と人事業の検証の場」が掲載されました。

 

 IoTは、とても裾野が広いコンセプトで、しかも新しく挑戦すべき技術課題が数多くあります。会場では、大企業からベンチャー企業まで、それぞれの持ち味を生かした、おもしろい技術が数多く展示されていました。特に大企業の展示では、こうした展示会で商談を進めるというより、新しい技術やサービスの市場性や課題を検証をしている様子が印象的でした。ご一読ください。

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2017年

2月

22日

シンガポールに活路を求める日本企業の記録

 弊社が編集協力させていただいた、日経BP総合研究所編の書籍「「イノベーション大国」次世代への布石」が発行されました。シンガポールに進出した日本企業の進出意図、現地での事業の様子、事前の期待通りだった部分や違った部分などを、現地駐在の方々のインタビューを通じて、赤裸々にレポートしています。

 

 副題に、「異次元の成長を遂げたシンガポールの未来戦略と日本の活路」とあるように、日本では考えられない産業振興の制度や地の利を活かした事業の実際を描き出した、珍しい本だと思います。弊社は、ここに登場する16社のうちの何社かのレポートを執筆したのですが、きれいごとだけでは済まない世界進出した日本企業の現地の生の声に、新しい気づきの連続でした。ご一読いただけると幸いです。

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2017年

2月

20日

丸わかり!! IoT入門

 洋泉社のムック「丸わかり!! IoT入門」の中で、IoTでのセンサーの役割と最新の動きの解説を執筆させていただきました。

 

 IoTは、全体がどのような技術やサービスで構成されているのか、全体像を体系的につかみにくいのですが、このムックでは、極めて端的に上手にまとまっていると思います。また、最新のトピックスも盛り込まれているため、知ったかぶりになれる豆知識も満載です。価格は税別で1300円です。ご興味のある方、ご購読いただけると幸いです。

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2017年

2月

15日

時代の寵児、NVIDIAのあしたを探る

 日経テクノロジーオンラインのコラム、テクノ大喜利で、「寵児NVIDIAの行方」と題して議論した記事を掲載しました。

 

 パソコン用ゲームなどに使うアクセラレーターのサプライヤーとして有名なNVIDIA社は、昨年辺りから破竹の勢いで存在感を増大させてきています。同社の強みは、コア製品であるGPUが、人工知能(AI)、自動運転、仮想現実(VR)、シミュレーションなどに欠かせないハイパフォーマンス・コンピューティングなど、これからの成長間違いなしの応用市場で数多く使われていることです。まさに、時代の寵児と言えます。今回の企画では、同社の好調さと優位性が継続的なものであるのか、競合企業の視点から検証しています。ご一読いただけると幸いです。

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2017年

2月

02日

半導体技術の応用で病気の芽を摘む

 「難病の克服を目指す」をテーマにしたTelescope Magazine 第13号のエキスパート インタビューで、東京大学 大学院 工学研究科 マテリアル工学専攻の一木隆範教授のお話しを伺いました。記事は、「大病院の精密検査機能をダウンサイジングして、日常生活の中で病気の芽をいち早く発見」と題して掲載させていただきました。

 

 先生は、血液や尿など人間の体液の中に含まれるエクソソームと呼ばれる、遺伝子の構成物質である核酸を含んだ細胞外小胞を手軽に分析して、がんのような治療が困難な疾病を早期発見する技術を開発しています。病気の芽が大病へと進行する前に対処して、患者も助かるとともに、医療費も削減しようとする試みです。検査技術には、半導体の微細加工技術を応用しています。未来を感じさせるお話しでした。ご一読いただけると幸いです。

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2017年

1月

30日

反面教師によるMake America Grate Again

引用:AFPBB
引用:AFPBB

 AFPBBの報道によると、カリフォルニア、ニューヨークなど、全米15週と首都ワシントンの司法長官が、共同声明を発表し、ドナルド・トランプ大統領による難民や移民の入国制限を「違憲だ」と非難し、米国の安全保障や価値を守るために戦うと宣言したそうです(関連記事)。

 

 同様の懸念は、Apple社、Google社、Facebook社などの企業のトップも、明確なメッセージを通じて表明しています。世界最強の権力者に対して迎合することなく、信念に基いて敢然と避難を表明しているところに、米国という国と国民性の偉大さと良心を再認識しました。感動を禁じえません。

 

 トランプ大統領は、「Make America Grate Again」をスローガンにして選挙戦を勝ち抜きました。図らずも、自らを反面教師として、そのスローガンを実現しているようにも見えます。

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2017年

1月

18日

電子業界の2017年の見どころ

 日経テクノロジーオンラインのコラム、テクノ大喜利で、「大喜利メンバー、2017年の視点」というテーマで議論した記事を掲載しました。2017年の電子業界で、どのようなトピックス、技術、企業の動きに注目すべきかを各界の有識者に挙げて頂いた記事です。

 

 今回の企画で驚いたのは、回答者のすべてが、2017年の電子業界が歴史的な好景気に沸くことになると見ている点です。焦点は、どこの企業が、どのような切り口で、どのくらい飛躍するかにあるようです。この流れに乗って行きたいところですね。ご一読いただけると幸いです。

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2016年

12月

26日

IoTの未来 2026

 特許調査会社であるアモティが日経BP未来研究所から発行した調査レポート「IoTの未来 2026」で、スマートハウス、医療、スマート工場、自動運転、スマートグリッドなど14のパートで、今後10年の潮流、技術やサービスの特徴、企業戦略、技術動向、企業の動向を執筆いたしました。

 

 IoTの応用分野は多岐にわたりますが、それぞれの応用に関わる技術の開発動向や、その権利化の状況を体系的にまとめた珍しいレポートです。税込み32万4000円と高価なレポートですが、内容は充実していると思います。よろしければ、ご一読ください。

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2016年

12月

23日

世界を変える7つの次世代テクノロジー

 洋泉社のムック「世界を変える7つの次世代テクノロジー」の中で、センサーのパートの解説を執筆させていただきました。

 

 このムックでは、人工知能や仮想現実、量子コンピューターなど、これから社会に大きなインパクトを及ぼすと思われる7つの技術について、一般の方々でも理解できるように噛み砕いて解説しています。執筆者には、東京大学の廣瀬通孝先生など著名な方々が名を連ねています。価格は税込みで1296円です。よろしければ、ご一読ください。

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2016年

12月

14日

変幻自在のQualcomm

 日経テクノロジーオンラインのコラム、テクノ大喜利で、「シン・Qualcomm襲来」というテーマで議論した記事を掲載しました。

 

 スマートフォン向けのチップセットで世界第3位の半導体メーカーだったQualcomm社が、NXP Semiconductors社を買収して、何と世界最大の車載半導体メーカーになることになりました。同社は、これまでにも、豊富な資金を基にしてM&Aなどを巧みに使いながら、ビジネスモデルを変えてきました。形態を変えながら、どんどん手がつけられないような怪物に変わっていったシン・ゴジラのようです。この記事では、これからのQualcomm社の行方と、競合が取るべき対策などを考えました。ご一読いただけると幸いです。

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2016年

12月

12日

AIと人間は異質な知性

 日本経済新聞 電子版に掲載のNEC様提供によるコラム「LEADERS VISION」で、「人間とAIは異質な知性、協調してこそ人間は進化できる」と題した対談記事を執筆させて頂きました。この記事は、将棋棋士の羽生善治氏とNEC 取締役 執行役員常務 兼 CTOの江村克己氏が、AIと人間の関わりについて対談したものです。

 

 羽生氏はNHKスペシャル「天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る」のリポーターとして、世界中のAI研究者と対話し、AIについて独自の見識を持っていました。また、江村CTOはNECで進める技術開発を通じて、AIでできることとできないことを明確に認識していました。未来に向けた示唆に富んだ対談だったと思います。ご一読いただけると幸いです。

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2016年

11月

30日

水を燃料に変える魔法の粉

 Telescope Magazineのインタビューで、東京工業大学の前田和彦准教授を取材させていただきました。前田准教授は、水を分解する光触媒を研究開発しています。記事は「植物の光合成を模して、社会を動かすエネルギーを得る」と題して掲載しています。

 

 同准教授が研究している技術は、黄色い粉に水をかけると、水が光エネルギーで水素と酸素に分解するという夢のようなものです。より高効率で分解できる物質を目指して、材料の探求やナノレベルでの構造設計などに取り組んでいます。ご一読いただけると幸いです。

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2016年

11月

30日

農業にもトヨタ生産方式

 Telescope Magazineに連載中の「スマート農業が世界と暮らしを変える」の第2回記事「群がる製造業の企業群と農業を支える新技術」の掲載を開始しました。

 

 これまで、どちらかと言えば合理化が遅れ、勘と経験に頼りがちだった農業に、工業生産で活用されている最新の生産管理手法が導入されている様子などを解説しています。世界に誇るトヨタ生産方式が、なんと農業に導入されるなど、驚くような動きもあります。一読いただけると幸いです。

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2016年

11月

16日

HDDは駆逐されるのか

 日経テクノロジーオンラインのコラム、テクノ大喜利で、「フラッシュはHDDを駆逐するか」というテーマで議論した記事を掲載しました。

 

 スマートフォンやパソコンでは馴染み深い存在になったフラッシュストレージの利用が、データセンターなどで使うサーバーなどにも広がってきました。今回の記事では、こうしたトレンドを踏まえ、これまでストレージを支えてきたHDDがこのまま退場していくのか、またこれからのストレージではどのような企業が事業機会をつかむのか議論しました。ご一読いただけると幸いです。

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2016年

10月

31日

震災の教訓を形にして残す

 Telescope Magazineのインタビューで東北大学の田路和幸教授を取材させていただきました。記事は、「電力システム再設計のススメ、震災復興で得た未来への気づき」と題して掲載しています。

 

 田路教授は、東日本大震災の経験を生かし、非常時でも確実にエネルギーを利用できる技術の開発と社会実装を目指す「東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクト」を指揮してきました。震災から既に5年以上経過し、東北でも徐々に教訓が薄れてきていることを感じているとおっしゃっていました。技術開発とその社会実装という形にして震災の教訓を残すことはすばらしいことと感じました。

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2016年

10月

31日

偉大なるかなオランダ農業

 Telescope Magazineで、「スマート農業が世界と暮らしを変える」という3回シリーズの連載を開始しました。第1回は、「オランダの奇跡と日本の新たな可能性」と題して、中国やロシアなどを差し置いて農産物輸出で米国に次ぐ世界第2位に位置するオランダでの施設園芸の成功を解説しました。

 

 日本より国土面積も人口も劣るオランダが、農業でこうした成果を挙げていることは実に驚くべきことです。この件では、ICT技術が持つ無限の可能性も感じます。日本政府も、オランダから学ぼうと必死の取り組みをしています。一読いただけると幸いです。

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2016年

10月

26日

CEATECで垣間見えた未来

 ユークエスト様のホームページで連載させていただいているコラム「組込みの輪郭」の第4回記事として、「電子産業の紅白歌合戦、CEATECで垣間見えた未来」を掲載しました。かつての家電の見本市からCPS/IoTの専門展示会へと大きくモデルチェンジした今年のCEATECの様子をレポートした記事です。

 

 この記事の中では、CEATECに見るIoT関連の技術や事業のトレンドだけではなく、展示会のあり方自体の変化についても、感じたことを書かせていただきました。よろしかったらご一読ください。

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2016年

10月

17日

産学連携の未来について考える

 日経テクノロジーオンラインのコラム、テクノ大喜利で、「本気の産学連携を考える」というテーマで議論した記事を掲載しました。東京大学が始めた、トップが社会実装まで責任を持ち、学術分野を超えて社会問題の解決に取り組む、新しいかたちの産学連携の是非を考えました。

 

 これまで産学連携は、数多く行われてきたのですが、その手法について大きな疑問も持たず進められてきたような気がします。しかし、産業と大学の双方の国際競争力が疑問視されるようになった今、あらためて産学連携のあり方を再定義しようとする動きが出てきています。記事中では、かなりレアな議論がなされていると思います。ご一読いただけるとうれしいです。

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2016年

9月

30日

国産レアアースの計り知れないインパクト

 南鳥島周辺の排他的経済水域で発見されたレアアース泥の日本の産業競争力に与えるインパクトを語る鼎談記事を、発見者でもあり、現在、揚泥と活用の技術開発に取り組んでいる東京大学の加藤泰浩教授らを取材し、執筆いたしました(記事)。

 

 日本の付加価値の高い工業製品の生産を、レアアースの調達先である中国に握られている現状を打破するため、国内鉱床の重要はこれまでにも指摘されてきていました。今回の記事では、新材料開発などさらなる産業競争力の強化にも、大きなメリットをもたらすことを指摘した、新しい視点が満載の記事になりました。ご一読いただけると幸いです。

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2016年

9月

20日

ARMの買収で笑うのは誰か

 日経テクノロジーオンラインでのコラム、テクノ大喜利で、「ARMの買収で笑うのは誰か」というテーマで議論した記事を掲載しました。95日、総額約240億ポンド(約3.3兆円)で株式の取得を完了し、ARM社はソフトバンクグループの100%子会社になりました。

 

 今回の買収は、何かと目立つソフトバンクが当事者であったこと、買収額が極めて巨額だったこと、また組み合わせの意外性から、さまざまなメディアが、あらゆる切り口から報道しました。今回のテクノ大喜利では、視点が出し尽くされたと思われるこの段階で、あえてこの買収の真価を論じました。さすが見識豊かなレギュラー回答者の皆さん、これまで指摘されることがなかった、驚きの視点が続出しました。よろしかったら、お読み頂けると幸いです。

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2016年

9月

13日

GPUとFPGAの話

 ユークエスト様のホームページで連載させて頂いているコラム「組込みの輪郭」で、第3回「組込みでもGPUやFPGAと早めに親しんでおこう」を公開いたしました。

 

 これまでの組込みシステムでは、いかにしてマイコンを使いこなすかが重要でした。これが近年、GPUやFPGAといった、使いこなしの方法がマイコンとは異なるデバイスの重要性が高まってきています。これらのデバイスは、今後あらゆる電子機器の開発で、その利用頻度が高まっていくと予想されます。タイトルにもあるように、組込みシステムのエンジニアのみなさんは、一刻も早く使いこなしになれておくと、仕事が有利に進められると思います。よろしかったら、ご一読ください。

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2016年

8月

28日

AIチップは誰が作る?

 日経テクノロジーオンラインでのコラム、テクノ大喜利で、「AIチップは誰が作る?」というテーマで議論した記事を掲載しました。現在のディープラーニングなどAI関連の処理を実行するシステムの多くは、既存のコンピューターをベースにして作られています。革新的な技術開発の力点は、学習のアルゴリズムや、学習の教材となるデータを集めるIoTシステムなどにあります。

 

 しかし、ビッグデータを教材とした学習や、さまざまな応用に際しての処理を実用レベルで実行するには、現在のコンピューターは余りにも非力です。AI関連の処理を駆使したシステムを構築するには、半導体チップにも何らかのブレークスルーが必要になると思われます。今回のテクノ大喜利では、AIチップの覇権の行方を論じることで、AI産業の未来のかたちを考えました。よろしかったら、お読み頂けると幸いです。

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2016年

8月

11日

IBMのAIチップが日本で開発されていた!

 TRELESCOPE Magazineの人工知能特集に掲載した記事「次世代コンピュータの中核となる新発想のチップを日本企業と共に創る」の取材で、日本アイビーエム 東京基礎研究所 サイエンス&テクノロジー 部長 新川崎事業所長の山道新太郎氏をインタビュさせていただききました。

 

 IBMのコグニティブ・コンピューティングの中核に据えるAIチップが、何と日本でも開発されていたのです。山道氏のお話は、マイクロプロセッサーが過去50年間築いてきた蓄積を一度リセットし、新しい50年を拓くというとてもエキサイティングな内容でした。開発しているAIチップは、記憶と処理を一体化させた非ノイマン型で、日本が得意な材料と生産の新技術を駆使したものです。かつてないほど、わくわくするお話しでした。ご一読ください。

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2016年

7月

18日

飽和市場スマホで勝ち抜く

 日経テクノロジーオンラインでのコラム、テクノ大喜利で、「飽和市場スマホで勝ち抜く」というテーマで議論した記事を公開しました。ここ数年の2ケタ成長が当たり前の市場だったスマートフォンが、2016年には前年比3.1%という低成長にとどまることが予想されています。

 

 しかし、スマホ関連の市場は、成長に飽和感があるものの依然として巨大です。こうした低成長の巨大市場の中で、いかなる戦略変更が求められているのか、お馴染みのアナリストやコンサルタントといった有識者が論じています。重たく感じる停滞感の中で、どのような勝機を見出すのか、他ではなかなか見られない議論を展開する記事になっているかとと思います。よろしかったらお読みいただけると幸いです。

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2016年

7月

05日

連載コラム「組込みの輪郭」第2回が公開されました

 ユークエスト株式会社のホームンページで連載しておりますコラム「組込みの輪郭」の第2回が公開されました。今回は、IoT時代のセキュリティをテーマにして、今、組込み業界で求められている人材像などについて解説しております。よろしければ、お読み頂けるとうれしいです。

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2015年

6月

02日

非ノイマン型時代の幕開けか

 インテルによるアルテラの買収が決まりました。167億米ドルという買収金額は、インテルにとって過去最大規模なんだそうです。3月に買収が噂に上って、そして一度破談になって、再度の交渉で合意にこぎ着けたようです。アルテラの主要株主の後押しがあったという報道もありましたが、今回の一件では、インテルの並々ならぬ意欲と覚悟と渇望を感じました。弊社では、「Intel社がAltera社の買収に必死だったわけ」という解説記事を、日経テクノロジーオンラインに投稿しました。よかったら読んでください。


 さて、FPGAというマイクロプロセッサーとは異質のプログラマブルデバイスを手中にしたインテルは、コンピューティングの世界をどのような方向に向けて動かしていくのでしょうか。これまでの同社は、科学計算も、税金の計算も、動画編集も、ネットの閲覧も、みんなマイクロプロセッサーで処理するという、いわば「マイクロプロセッサー原理主義」を採ってきました。そのインテルが、初めてプロセッサー以外のデバイス、しかも非ノイマン型のデバイスを心底欲しがったのです。そこに至った背景に想いを巡らせると、何か大きな変化が起こる予感がします。

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2015年

4月

30日

期待のドラマと看過できない潮流

 弊社がモデレータをしている日経BP半導体リサーチのコラム「SCR大喜利」のまとめ記事が連休明けに公開されます。今回のテーマは、「ソシオネクストのあしたはどっちだ」と「政策や規制で動く半導体市場」の2本です。大喜利の回答者の皆さまの回答と合わせて、記事をお読みいただけると幸いです。


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2014年

4月

16日

会社のロゴを作りました

Enlight Logo

 こんにちは。4月14日、株式会社エンライトは、無事に登記申請を終えて、本格的な活動をスタートしました。よろしくお願い致します。

 活動開始と同時に、企業ロゴを作りました。企業理念に沿って、プロのデザイナが、デザインしてくれたものです。八方向に輝く光で、太陽が森を育てるように、企業の活動を支援していく様を表現していただきました。結構、気に入っています。

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2014年

3月

31日

ホームページを公開しました

株式会社エンライトのホームページを立ち上げました。

お客様が保有している技術の真の価値を、

より広く、より的確に伝えるため、

この場で情報を発信していきます。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

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