猫も杓子もIoTの世の中だけど・・・

 最近の展示会の展示物、技術系企業のリリースでは、IoTという文字がまさに躍っています。応用範囲が広い技術コンセプトですから、目にする頻度が高くなるのはうなずけます。しかし、中には「本当にこれはIoTなのか」と疑問を感じるようなものも多く混ざっています。ちょっと、バズワード化してきた感もある今日この頃です。

 

  IoTシステムの構築を支援している企業の担当者の話では、「システムの開発目標や解決すべき課題がしっかりとした案件で、開発者本人はIoTシステムを開発している認識がないのだが、目を見張る成果を上げるところが出てきています」と言います。IoTをスローガンとして掲げてのシステム開発は、流行の技術の利用が先にありきで、予算獲得をしやすくしようという思惑が透ける、ちょっとスケベ心のある案件が多いとも言います。

 

 マルチメディア、ユビキタスなど、過去にもてはやされたバズワードに踊るだけ踊り、開発の原点を見失ったまま開発された多くの機器やシステムが、大した成果を上げることなく消えていきました。でもその一方で、こうしたバズワードに頼ることなく、成功した家庭用ゲーム機のような真のマルチメディア機器、iPhoneのような真のユビキタス機器もあります。

 

 IoTの真価を見せつける機器やシステムは、IoTというワードを冠することなく登場するのかもしれません。