リピーターを呼ぶおみやげ

 最近、ディズニーリゾートで、おみやげとして人気のある「スーベニアメダル」について調べていました。マーケティングの仕組みとして、とても良くできていて驚きました。

 

 スーベニアメダルというのは、100円を入れると、銅の小さなコインを刻印で押しつぶし、キャラクターなどを描き出したメダルです。米国では、ディズニー関連以外でも、様々な観光地に、1セントのコインを押しつぶして刻印するおみやげメダルが売られています。日本ではコインを勝手に加工するのは法律違反になってしまうのですが。

 東京ディズニーリゾートには、ランドとシー、リゾートラインの各駅、そしてホテルなどに、スーベニアメダルが買える「メダルメーカー」と呼ぶ機械が置かれています。そして、設置場所、季節、開催しているイベントなどに応じて、図柄が変わります。価格も手頃だし、かさばらないし、コインに刻印する時のギッミックや出来たメダルが熱々で出てくる様子もおもしろいし。スーベニアメダルは、熱狂的なマニアがいるコレクターズアイテムになっています。コレクターでなくても訪れた時には買ってみたくなるし、持って帰れば、「今はどんな図柄のメダルを売っているのかな」と思ったりするでしょう。


 このスーベニアメダルは、リピーターを生み出す仕掛けのひとつなのです。おみやげの中に、得意のエンタテインメントの仕掛けを盛り込み、消費者の体験を作り出す。その体験を持ち帰ってもらって、リピートにつなげる。実に巧妙で、よく練られたシステムです。日本でも夏休みになると鉄道会社が開催するスタンプラリーが同様の仕組みと言えますが、洗練度と効果、いずれもディズニーの圧勝のように見えます。さすがです。